【風立ちぬの感想1】内容のネタバレは一切なし、ご安心を

【風立ちぬの感想】内容のネタバレは一切なしです、ご安心を。。

ジブリの「風立ちぬ」の感想をあちこちでちらほら見かけるこの頃。ついなるべく最後まで読まないようにしてしまいます。実は私も先週みました。そして自分の感想を書かないうちに他の方のこってりした感想を読むと影響を受けて「最初の自分の感想」を忘れそうになるので、まずはよ、ここに書きとめておこうと思います。

まず映画公開前にNHKの番組の一部で特集が組まれたときに
インタビュアーが宮崎氏に対して「これは遺作ですか?」と聞くのを見て、
なんて失礼な質問をするんだろうと、少し憤慨してました。

確かにだんだん高齢になられて作品作りは大変だと思うけれど、
ご自分が先に「これを最後にしたいと思います」と言われる前に
「これは遺作ですか?」って先に聞くのってどうよ、と。

けれど、映画を見始めると、やはり「これが最後の作品」という宮崎の覚悟感がひしひしと伝わってきました。

たぶん、はじめて自分に正直に作品を作られたのだろうなぁと。

観て思ったのは「宮崎の覚悟と贖罪とバトン」これにつきます。

「覚悟」というのは自分がこの世からいなくなる覚悟、
(いつか、誰でも、そうだけど、宮崎にとっての)
興行的にはもう日本国民のある一定数は確実に宮崎が映画を作れば必ず見に行く層が出来ている、興行的成功はすでに約束されているので、何を出しても安心、それよりも、「この映画を作って見た人にどういわれようが」の覚悟。

「贖罪」は、うまくいえないけど、
今までは会社経営だから、たくさんの人を雇い人生を抱えているのだから、映画製作に莫大なお金使って、失敗するわけにはいかない、だから興行的に成功するために、次に繋げるためにも、うんとサービスしたりエンタメに徹したり、作品作りの中で、自分のやりたいことと伝えたいこととサービスと葛藤や軋轢がある、

けれど、もう僕は客に媚びない、僕はもうたぶん作らない、体力的に気力的にも作れないと思うから、最後の作品は今までの「贖罪」として、「正直に君たちにメッセージを送るよ」=「バトンを渡すよ、だからちゃんと受けとってね」

そういうものを感じました。

私にとってこの映画は、物語が、映画の作りがどうの、そういうことよりも、宮崎のそういう想いのほうが、びんびんと伝わってきた映画でした。

もう少し他の視点でいうと、

「風立ちぬ」はまずこれは大人が対象のアニメなのか、子どもが対象なのか、宮崎さんはどちらに見せたいと思って作られたんだろうと、映画の途中から思い始めました。

これ、子どもはついてこれるのかな〜...。と
でも実際にFBで流れてくる感想やうちの三男の周辺の子たちの感想をきくと、
実に「若い人たち」(あるいは宮崎アニメに対して感性の居着きがない)方たちのほうがウケがよい、という意外な事実まで浮かび上がってきました。

私自身は宮崎アニメで一番すきなものは?と聞かれたら、「千と千尋」「もののけ姫」「ナウシカ...」と来るのが正直なところです。

三男の周辺(高専の学寮の子たち)で見た人たちは
「めっちゃよかった!宮崎アニメの中で一番いい!」と一様に声を揃えて言っているようです。

それにお子さんと見に行かれた親御さんの感想は
「小学生の子どもにもちゃんと分かるようで、映画をみて涙ぐんでいた」と。

私にはこちらのほうが驚きでした。

そうか若い人のほうがメッセージが伝わるのか...と。。。

三男の周辺の場合、ひとつは「ものづくり」を目指す子達だから、という点も入っているかもしれませんが...。

FBに流れてくる感想も、ほんとうに十人十色で、おもしろいです

宮崎アニメの中でも最も万華鏡のように人それぞれ違うものをあの映画に感じ取って受けとっている、作品として、最もいろんな方々にいろんな解釈や感想や意見を醸し出す、すごい作品いなっているのだと思います。